ハーレーを安全に乗りこなすために必要なことは何かと考えると、思い通りに操作が出来ることと、きちんと止まれることではないでしょうか。ハーレーに限らず乗り物の類の安全性を謳う際には必ずといっていいほどブレーキが取りあげられます。ハーレーのブレーキはどのような仕組みになっているのでしょうか。
ディスク式を採用しているハーレー
現在、自動車やバイク等をはじめとした、車輪の付いた乗り物に対して採用されているブレーキにはドラム式とディスク式がありますが、ハーレーがブレーキに採用しているのはディスクブレーキ。1972年頃からハーレーでは採用され始めたと言われています。
現在でも両方の方式が利用されていることからもわかるように、どちらのブレーキも制動性についての能力は、摩擦の力を利用しているだけあって、ほとんど優劣は無いと言われています。
ドラム式とディスク式の違い
この2つのブレーキの方式の違いで取りあげられるのは、その構造による価格の違いです。ドラム式の方が簡素でコストがかかりにくいため、ディスクブレーキの製造コストや性能面において信頼性が高まるまで、バイクのブレーキもドラム式というのが普通でした。
しかし、ディスクブレーキの信頼性が確立され、放熱性においてタイヤの外側に位置するディスクブレーキは摩擦によって生み出された熱を冷ましやすいという利点から、現在は原付きバイクなどの一部を除き、ほとんどのオートバイではディスクブレーキが採用されるようになりました。
殆どの車種ではシングルディスクブレーキですが、2019年にリリースが発表されている電動バイクのLiveWireは、ダブルディスクになっています。制動性が上がるということを考えると、噂の電動バイクは加速力に期待できそうですね。
ディスク式ブレーキである利点
コスト面ではドラム式に劣るディスク式の最大のメリットは、メンテナンス性の高さにあるのではないかと思います。
ドラム式は車輪の内部に設置するという構造上、メンテナンスをするのにも、いちいち分解しないといけないという手間があります。それに対してディスク式のブレーキは、むき出しの構造に加えて構造自体もシンプルであるため、簡単に交換を行うこともできます。そのため、カスタム製の高いハーレーとの親和性が高く、ハーレーに装着されているブレーキローターやブレーキキャリパーを見るだけでも、様々な個性が見えてきます。 ドラム式に比べて軽量である点も、ハーレーに限らず多くのオートバイにディスク式が採用されている理由なのかもしれません。
ブレーキのメンテナンスはしっかりと
ディスクブレーキは、車輪とともに回転するブレーキローターに対してブレーキパッドを押し付けて摩擦を発生させることで車輪を停止させる仕組みです。そして強い摩擦力を生み出すということは徐々に削れていくということで、ブレーキパッドは定期的な交換が必要なパーツになります。
走り方でもその削れ具合は変わっていくので、距離や年月などで目安を出すことはできませんが、多くのブレーキキャリパーは中を覗くことでブレーキパッドを確認することが出来るので、摩材と呼ばれるパッド部分の溝の深さを目視で確認することができます。目安としては2mmぐらいになっていたら交換用のパーツをすぐにでも手配したほうがいいでしょう。
ブレーキローターについても摩擦によるダメージが0というわけではないので、摩耗具合を確認しておく必要があります。
ブレーキパッドについても、ブレーキローターについても、交換方法は難しい作業ではないので、設備とやる気さえあれば自分でも出来るようになる事のできるメンテナンスです。以前に紹介した取り付け方をご覧いただければ参考になると思います。
とはいえブレーキは安全のために重要なパーツでもあるので、不安のある方はバイクショップでの整備を依頼したほうがいいでしょう。