ハーレーのハンドルには個性的なデザインが多いです。見た目も乗り心地もガラッと変えるのがハンドルのカスタムです。そんなハンドルの形状について説明していきます。
ハーレーのハンドルの形状
ハーレーのハンドルをチョッパースタイルにしたいと考えてカスタムする人は多いです。ハーレーのスタイルには様々なものがあり、それぞれのスタイルに適したハンドルもまた、沢山の種類があります。そして、それらの形状に名前が有ることはご存知ですか。
好ましいハンドルの形状があり、それを欲しいと思っているのにその名称が出てこない。となるとインターネットで探し出すのも難しくなりますし、ショップの人に伝えることも困難です。ですので、ハンドルの形状について表す名称の主要なものを以下へまとめました。
エイプハンガー
「エイプ = 猿」と意味しています。猿が枝にぶら下がっているような形状からエイプハンガー呼ばれています。ハーレーの伝統的なチョッパースタイルというと、このエイプハンガーが使われていることが多いです。
物によっては背の高いハンドルもあり、ライダーの目線よりも高い位置にグリップがくるものなどは、見た目に強烈な印象を与えます。チョロスタイルを目指す場合にはこのような背の高いハンドルが好まれますが、操作性を犠牲にすることにもなるので、背の高すぎるものを選ぶ場合には慎重になったほうが良いでしょう。通常のバイクと比べても操作性や視界も変化するので、カスタム後の試運転は安全のためには必須になるでしょう。
エイプバーの中でも特に背の高いものは「スカイハイバー」とも呼ばれます。
ドラッグバー
湾曲がほとんど無いハンドルをドラッグバー、もしくはストレートバーと呼びます。殆どの物は多少なりとも曲がっているものですが、湾曲が一切ない真っ直ぐに伸びた形状のものも存在しています。
ドラッグレーサーをモチーフとしているDRAGスタイルに多く採用されているハンドルで、このDRAGスタイルを目指してカスタムするのであれば、通常よりも肘を引き絞り、前傾姿勢で走行することになるので、信号で度々停車させられ体を起こしたりする街乗りよりも、信号の少ない平野などをツーリングする際に向いています。
ライザーやハンドルポストの高さ次第でハンドルの高さが変わるので、組み合わせによっては様々な印象に変化させることが出来ます。
プルバックハンドル
グリップ部分が手前に曲げられたようなハンドルをプルバックハンドルといいます。エイプハンガーのように上へ伸びるタイプのハンドルですが、途中でライダー側に引き戻される形状のためプルバックと名付けられています。そのため、エイプと比べても乗りやすいイメージがあります。
エイプハンガーではグリップの位置が遠く、操作しづらいと感じているのであれば、グリップが近くなるプルバックハンドルに変更したら改善できるかもしれません。
Zバー
湾曲したハンドルが多い中、鋭角的に角度の付いたハンドルを指してZバー、あるいはその角ばった姿からロボットハンドルとも呼ばれています。その形は分かりやすく特徴的でZの形のように直角以上の角度が付いていたり、ベント部分が鋭角に曲げられているので、スタイリッシュな印象を与えます。
特にどのスタイルを目指して特化した姿というわけでもなく、高さの有るものから低いものまで、スタイルに合わせた選択も可能です。しかし、鋭角なデザインは目を引くデザインではあるのですが、物によってはライダーの体を傷つける可能性が高いと判断されてしまう事があり、車検に通らないケースが多くはありませんが存在します。変更前のハンドルは念の為残しておいたほうがいいかもしれません。
セパレートハンドル
通常バイクのハンドルといえば1本のバー状の物が多いですが、左右で分かれているハンドルも中にはあります。そのようなハンドルをセパレートハンドルといいます。セパレートとは英語で「分かれた」という意味です。
クランプオンの装着となるため、ハンドル位置が低いので前傾姿勢となり、分割されている分軽く作ることが可能なので、スピードが出しやすくレーサーマシンに多く採用されているハンドルです。反面、長距離・長時間ツーリングするのに適した姿勢ではないため、体への負担と疲労は他のハンドルと比べて蓄積されやすいです。
バガーバー
ツーリングファミリーのために作られたカスタムハンドル。バガースタイルの定番です。
エイプハンガーとZバーをあわせたような形をしているのがバガーバーです。「バガー = BAGGER」でありバッグを装着したカスタム車両を指しており、ツーリングファミリーのステアリングまわりにフィットするように作られているため、実際相性もかなりいいです。ツーリングモデルのカスタムといったらまずこれになるでしょう。
Tバー
「Tバー」と略されて表記されますが、「ティラーバー」と読みます。ティラーとは耕運機のことで、それを模したハンドルという意味になります。
体の側へ引っ張るように加工されているTバーは、グリップまでの距離が近いので腕をグッと伸ばさなくても手が届くため、ゆったりとした操作が可能になります。大きな耕運機に向いている形状をしているので、左右への取り回しがしやすいと感じる人もいるでしょう。
ハンドルを支えるパーツ
ライザー
ハンドルではありませんが、ハンドルバーを支える為の重要なパーツです。
背の低いものから高いものまで長さが色々あるので、目指しているスタイルによって変更したり、自分の体のサイズからライディングポジションを調整して選ぶことで、体への負担の少なくすることが出来ます。
ライザークランプ
ライザーとハンドルを固定するために必要なパーツ。上から「ライザークランプ > ハンドル > ライザー」の順にハンドルを抑える役割を担っています。しっかりと固定することが安全に運転するために必要です。
左右にそれぞれ1つずつ固定する2つに分かれたタイプと、1つで左右を両方固定するタイプの1種類あります。
探している形状のハンドルの名称はわかりましたか?それぞれのハンドルの形状の中でも個性はいろいろあります。
ハーレーに特別な感情を抱いているオーナーの方も多いでしょう。往年のチョッパースタイルを目指して選ぶのもいいでしょう。どこまでの走っていけるような乗り心地を重視するのもいいでしょう。
ハンドルは操作性を左右するための重要なパーツであると共に、スタイルを決定づけるパーツの1つです。悩み抜いた先で理想のカスタムが見つかることでしょう。