パンク防止剤としてその名を広めつつあるslime(スライム)ですが、まだ得体が知れないケミカルという扱いもちらほら。ここではその魅力を、製造会社であるAccessories Marketing, Inc.の解説を引用してご紹介します。
slimeの活躍する場所
タイヤやタイヤチューブにあらかじめ注入しておいて、突然起こるパンクを防止するアイテム【slime(スライム)】。
実はバイクタイヤ以外にも使われていて、身近なところでは普段私たちが乗る自転車(オフロードも可)にも効果を発揮します。
他にも乗用車、産業自動車、庭仕事用の運搬車両にも使われていますが、成分に違いはなく、チューブタイヤ用、チューブレスタイヤ用に分かれているだけです。
目的
- パンクを防ぐ
- パンクを修理する
パンク防止としては名を広めていますが、修理するという役割があるのです。
Fibro-Sealテクノロジー
メーカーが開発したテクノロジーは、環境にやさしいファイバー状の物質。糸がよるようにファイバーがからみつくことで、チューブレスタイヤの場合6mmまでの大きさ、チューブタイヤの場合3mmまでのパンクを密封し※1固まります。
※1…硬化して穴を防ぐものではなく「繊維状のラバー粒子でシーリング剤の一つ」。作用後にタイヤの外側から見える部分は硬化しておらず、柔軟性のあるシール剤が固まっている状態。
シーリング剤であるslimeをタイヤに注入すると、内部では液状に保たれます。
タイヤの回転によって内部にいきわたり、パンクが起こると空気がもれる力でslimeも外側に押され、役割を果たすのです。
適量使用量
ハーレーの場合、極太タイヤでない限りタイヤ1本につきこちら(8オンス入り)を1~1.5本で十分です。
- 自転車タイヤ 0.5本
- バイクタイヤ 1~1.5本
- スクーター 1本
- 乗用車 2本
※いずれも8オンス入りを基準。
これが slimeだ
メーカーの説明を引用して詳しくご紹介します。
有効期間
注入して2年間有効です。
水溶性・無害
slimeの特徴は水溶性であること。他にも中毒性がないこと、危険物・有害物ではないこと、可燃性ではないことが特徴です。
2年後はどんな処理が必要?
使用期間の2年間を過ぎたら、チューブ内のslimeを全て抜き取りきれいに洗い流します。水溶性、無害なので洗い流して大丈夫です。その後タオルでしっかり水分を拭き取り、新しいslimeを注入します。
保存可能期間
完全にキャップを締めた状態で湿気を避け、冷暗所で保管した場合に4年間保存が可能です。使用前には中身を振って粘度を元に戻してください。
注入作業
リムが見えているほどにパンクして潰れていない限り、ジャッキアップすることなく注入できます。
注入後、タイヤの空気を入れる設備があれば誰でもおこなえる作業です。
slimeの疑問あれこれ
寒くても凍らない?
極端に寒い気候でも凍らない特性があります。ただし低温になると粘度が増しますが、走り出してタイヤ内部で摩擦が起こることですぐに温度があがり、元の粘度に戻ります。
ホイールバランス
slimeの注入によってホイールバランスが崩れるという意見について、フロントタイヤに注入して※2高速走行すると振動でまれに起こるそうです。これが起こり得らないリアタイヤであれば、パンク修理のための注入であれば有効とのことです。
※2…目安75km/H以上
バルブリーク
バルブ自体に問題がある場合、slimeで解決することはできません。あくまでもパンク防止とパンク修理の目的で使用することが推奨されます。
チューブタイヤ・チューブレスタイヤ
チューブタイヤ用、チューブレスタイヤ用は明確に分けて使用しないと効果がありません。
2種類間では対応できるパンクの大きさが異なるため、メーカーでは品質と効果を保証していません。
バルブ詰まりの解決方法
slimeを注入後タイヤバルブが詰まってしまった場合は、以下の手順に従うことが推奨されています。
タイヤを回転させて10時か2時の位置にバルブをもってきます。ゆっくりと空気を抜き、商品に付いている黒いキャップを用いてバルブコアを外します。温水でバルブコアを洗浄し、繊維状に詰まったslimeを取り除きます。詰まりが取れたらバルブコアを元に戻し、空気を入れて完了です。
slimeを入れたタイヤは修理できない?
プロショップにパンク修理を依頼する場合、slimeが入っていることを伝えてください。slimeは水溶性、無害なので洗い流して水分を拭き取ることで、プロによる通常通りのパンク修理が可能です。
バルブコアとは?
タイヤバルブのムシをさします。タイヤバルブステムの内側にあり、商品に付いてくる黒いツールを使って簡単に取り外せます。
使用手順
注入前にはボトルを振って中身を混ぜると注入しやすくなります。
1. 商品上部の黒いキャップを用いてタイヤバルブステム内側のムシを取り外します。
2. 商品に付いている透明チューブをセッティングしてslimeを適量絞り出します。
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3. ムシをバルブステムに戻します。
4. タイヤに空気を入れて完了です。