年配のライダーのための安全運転6か条

年配のライダーのための安全運転6か条

白髪、ひざの軋み、老眼鏡の必要性など加齢による体の衰えが始まっているからといってバイクに乗れないわけではありません。
オートバイのライダーは体型、サイズ、年齢、性別はさまざまです。40歳、50歳、60歳、またはそれ以上の年齢で初めてオートバイに乗る方は国を問わずたくさんいます。
実際ライダーの高齢化は日本だけでなく米国のバイカーの年齢も年々上がっており、所有者の年齢の中央値は50歳で所有者の39%は51歳から69歳の間で占められています。

安全で楽しいツーリングライフ満喫するには年齢・性別・経験に関係なく安全運転への努力が必要です。
しかし歳を重ねるごとに体力や動体視力、反射神経などは衰えていき簡単に出来ていたライディングテクニックが出来なくなったり、重量のあるバイクを支えるのが難しくなったりする日がいづれくるかもしれません。

愛車をガレージに永遠に眠らせる前に少しでも長くツーリングライフを満喫するためにも、 以下の6つの事柄 に気を付けて安全運転を心掛けてください。

1.出発前のウォームアップ

一流のスポーツ選手でも急に体を動かせば故障する可能性が高まります。それはライダーであっても例外ではありません。
ロングツーリングに出発する前には 体をライディングに慣らすために近所で少し走行 してください。
ツーリングに出発する前に少し試乗することで運転に使用する筋肉、脳を目覚めさせるのと同時に運転に支障をきたすような体の異変・兆候を事前に察知することが出来ます。
ロングツーリングに出発するまでに体を慣らし温めることで筋肉がほど良くほぐれ、脳が活性化して五感が研ぎ澄まされ、また愛車のエンジンとタイヤがほど良く暖まり安全で快適なツーリングに出かけることが出来ます。

2.ストレッチを頻繁に行い定期的に運動する

「エクササイズ」や「ワークアウト」という言葉に嫌悪感を抱くのはあなただけではありません。
ランニングに行ったり早朝にジムでウェイトリフティングをするように求めているわけではありません。
幸いなことにバイクに乗ることそして楽しむことにお腹のシックスパックは必要ないのです。
しかし、安全で快適なツーリングライフを満喫するためには特に高齢のライダーは極力現在の体型、体力を維持する必要があります。

運動するのは他でもない自分自身ですから好みの運動方法を自由に選択できます。その中で筋肉を柔軟に保つための簡単な方法の1つは 毎日の散歩 です。
普段から公園に出かけて散歩したり、近所に出かけるときは歩いてみたりすることは安全で快適なツーリングライフを満喫するためにはとても役立ちます。
また、他のスポーツと同様にオートバイに乗ることは特定の筋肉と腱を使用します。年を重ねるにつれて、これらの筋肉と腱に焦点を当てたストレッチをツーリング前後のルーチンに取り入れてください。
特にライディングによって多くの緊張と緊張が蓄積する可能性がある手首、肩、腰を伸ばすことのできるストレッチを取り入れてください。

3.背筋を伸ばしたライディングポジションを採用する

ライディングポジションが乗り心地と車体のコントロールに影響を及ぼすことは 「安全で快適なツーリングライフのために必要な人間工学に基づいたカスタム」 で説明したのでご存知かと思います。
乗るバイクのスタイルによってライディングポジションが決まります。例えばスポーツバイクは前傾姿勢になる傾向があり年配のライダーにとっては背中の痛みやこわばりをより早く引き起こす可能性があります。
安全で快適なツーリングライフをより長く続けるためには リラックスできるライディングポジション 、すなわち背骨が地面に対して垂直になるように座り、ハンドルに伸ばした手首と腕に十分なゆとりがある状態で足も地面をしっかりと捉えることができるポジションです。
ハンドルやシート、フットコントロールを快適なものへと交換してベストポジションを探してください。

4.ダウンサイジングを検討する

大型のバイクを操作して安全にターンするにはより大きな力が必要です。
また重量もあるので万が一倒してしまった時に一人で起こすことができるかということも考えなければいけません。
どんなバイクに乗っても風を切って走るツーリングの楽しさは同じはずです。体の衰えを自覚したら 小型で軽量なモデルへの移行 を検討する時期かもしれません。
もちろん乗りなれたバイクが一番扱いやすいことは間違いありませんが体の衰えには逆らえません。
小型で軽量なモデルだからこその楽しみ方もきっとあるはずです。
安全で快適なツーリングライフを末永く満喫するためにも検討してください。

5.安全運転講習を受講する

長年のライディング経験で得た知識、優れた判断力は安全運転をする上で非常に大切です。
しかし歳を重ねた体は反応時間や反射神経が低下する可能性があります。
そこで自分自身の現在の運転技術がどれほどのものかを確認する上でも各地で開催される 安全運転講習に参加 するのは今後のツーリングライフにとって非常に有意義な時間となります。
安全運転講習は初心者向けと思われがちですが数年ぶりに乗るリターンライダーや年配の方など幅広く参加しているのでこの機会に検討してください。

6.自分自身を知る

やはり年齢を感じ始めたライダーにとって一番重要なことは 自分の体と心に気を配ること です。
視力、聴力、平衡感覚の低下を軽視してはいけません。
現在の健康上の問題と合わせてそれらがライディング能力にどのように影響するかを常に気を配り把握しておく必要があります。
衰えた体を評価するとき、自分自身に正直で正しい判断をすることは難しいかもしれません、しかし自分とそして周囲の人の安全のためにも、とても重要です。

加齢による身体的な影響が出たからと言ってそこで諦めて乗るのを止める必要はありません。
しかし、今後は今までとは違うツーリングプランを考える必要があることを意味します。ソロでのツーリングを控え仲間と一緒に行く機会を増やしたり、目的地を近くに設定して乗車時間を短くしたりすることも考えてください。
ツーリング当日出発前に調子が悪いと感じたら予定をキャンセルすることを躊躇しないでください。
また、これぐらいならと問題ないと出発した場合はこまめに休憩をとるように心掛けてください。

結局のところ自分のことは自分自身が誰よりも一番良く理解しているので安易に他人の意見に流されず 体調に合わせたより現実的なツーリング計画 を立てて楽しむことが一番です。

バイクを降りることを考えなければならない時期

バイクに乗るのをやめるべき年齢について明確な答えはありません。すべての人はそれぞれ異なり同じ人はいません。
最終的な判断は、個人の能力・体調に応じてバイクを降りる時期について日頃から考える必要があります。とはいえ、考える必要性を無視してはならない兆候がいくつかあります。
以下の兆候を感じたならバイクを降りることを本格的に考える時期かもしれません。

  • ヒヤリハットの増加
  • 集中力の低下
  • 乗車中の緊張感の増大
  • 交通標識、信号、車線が見えにくい
  • ライディング中やライディング後の慢性的な体の痛み

オートバイに乗ってツーリングすることはとても楽しい経験です。
体の痛みやストレスを感じたり、身の安全を脅かしてでも乗るのは間違っています。
快適で楽しく安全なツーリングライフを少しでも永く堪能するためにも快適なライディングポジションを見つけることが重要です。


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