当店への依頼含め、近年のハーレーカスタムにおいて、ヘッドライトだけでなく、ウインカーライトのLED化の話をよく耳にします。各メーカーも続々と関連パーツをリリースしており、みなさんの仲間内でも割とよく出る話題のひとつではないでしょうか?
ツーリング中の安全に直結するウインカーライトのLEDカスタム。
ではそもそも、ライトをLEDにすることにより、何がメリットとなるのか? なんとなくわかるようで、よくわからない。そんな方々へ今回はLEDのお話をしつつ、実際にLEDのウインカーライトパーツの取付工程を紹介したいと思います。
LEDにするメリット
明るい光
年式やモデルにもよりますが、通常ウインカーライトには白熱球が装備されてています。もちろんそのままでも問題なく普段の走行は可能です。
ただ白熱球に比べて光量が100%になるまでの時間が非常に短いという特性を持っているのがLED。この特性とウインカーライトが合致すると、ぼやん・ぼやんとした点滅ではなく、カっ!カっ!としたメリハリある点滅信号を路上の他のドライバーや歩行者に対して送ることができ、安全性の向上につながります。
また、白熱球が大きな範囲で光を放つのに対して、LEDは届く光が一定方向に集中したものになるため、たとえ光量(ルーメン)の数値が白熱球と同じだとしても、凝縮されたより明るい状態として視認されるのです。
コストと安心感
もうひとつは優れたコスト面があげられます。
これは一般家庭のLED照明にも言えることなので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
一般論として、白熱球はどれだけ節約していても製品寿命が数千時間といわれているのに対し、LEDは数万時間。最低でも10倍以上の違いがあり、買い替えの頻度が少なくなるため、その分コストを抑えることができます。
他にも、ツーリング途中の突然のライトの停電。カバーやレンズを開けてみてみると、中でフィラメントが断線し、びよ~んとかわいそうなことになっていた。…なんて経験はありませんか。
LEDはフィラメントを使用していないため、ハーレー特有の強い振動による故障が少ない特徴があげられます。
このようにLEDがもつ長寿命と故障の少なさは、ハーレーの維持費軽減につながるほか、走行中のトラブルへの不安感の払しょく、つまりは安心感を長期にわたり得られるメリットがあるのです。
実際に取り付けてみる
今回使用するパーツ
Custom Dynamics(カスタムダイナミクス)
ProBEAM アンバー/ホワイト フロントLEDブレットウインカーインサート
純正バレットウインカーのバルブとレンズを交換してランニングライト付のLEDウインカーに出来ます。
白い外側のリングは6000Kの明るい白色のランニングライトとして点灯し、中央はフルコントラストのアンバーの方向指示器として点滅します。
作業車両モデル
●2022年式 FXLRS ローライダーS SOFTAILのカスタム車両
スポーツスターやダイナ、近年ではミルウォーキーソフテイルなどに使用されているブレットタイプのウインカーは、レンズやウインカーベゼルに必ず一箇所、細長い長方形の隙間があります。
※画像は取り付け車両とは別の隙間が確認しやすいクローム色のウインカーになります
その隙間にマイナスドライバーなどの平らなものを挟み込み、支点・力点・作用点のテコの原理を利用した方法で外せば、カコッと簡単に外すことが可能です。その際にはキズや凹み防止のため、ウェスなどで当て布して作業を行ってください。
レンズやベゼルを外した後は、標準装着されている白熱球とノーマルバルブを外します。
もとのウインカー部分にLED用の配線1本を通す穴を空けます。
※ドリルなどの専用の道具が必要になるため、専門ショップへの依頼を推奨します。
ハンドルバーを通しながらウインカーコネクトへ配線を持っていき、接続します。
配線が完了した後、ウインカーレンズをはめ込み、点灯テストを実施。ランニングライトはOK!
続いてウインカーライトの点灯と切り替えも問題ありませんでした。
画像では伝わりづらいですが、どちらとも直視できないくらいの眩しさを放っており、光量アップを実感できるカスタムとなりました。
最後に
明るくなることでライダー自身も含めた他のドライバー、歩行者への安全面や消費電力・ライトの長寿命など、ハーレーの維持費軽減にもつながるウインカーライトのLED化。
メリットが多い反面、日本における車検規定や既述したように配線の知識や技術がない方だと、なかなかハードルが高いカスタムになるなど、デメリットがあるのも否めない事実です。
ご検討中の方はハーレー専門のカスタムショップに相談・依頼するのが間違いないでしょう。
もちろん当店でも受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。